1972年生まれ。BBCのサウンドエンジニアであった父を持ち、幼少よりピアノとバイオリンを学ぶ。1995年にデビュー後、Herbert名義以外で もDoctor RockitやRadio Boyといった様々な名義を使い分け、多彩な楽曲を制作している。1998年にはヴォーカルにDani Sicilianoを迎え『Around The House』を発表。洗濯機やトースター、歯ブラシといった日常音をサンプリングし、まったく独創的な楽曲の数々を披露した。2000年は “ACCIDENTAL”、“LIFELIKE”、“SOUNDSLIKE”と、それぞれの名義のコンセプトごとに自身がA&Rから運営までを手 掛ける3つのレーベルを始動させ、それぞれのレーベルからRadio Boy名義でシングル「A Machine Drilling For Oil」、Doctor Rockit名義でアルバム『Indore Fireworks』、Herbert名義でシングル「Leave Me Now」をリリースした。2001年には“!K7”からアルバム『Bodily Functions』を発表し、この傑作によりHerbertは、現代エレクトロニック・ミュージック界で最高峰の才能として世界中から賞賛されることと なる。その後もBjorkやSerge Gainsbourg、オノ・ヨーコ、Corneliusといった多くのミュージシャンのremixを手掛けるなど精力的な活動は続き、2003年には The Matthew Herbert Big Bandを結成してのアルバム『Goodbye Swingtime』を発表。かのAbbey Roadスタジオで16名のJazzミュージシャンとともに録音されたこのアルバムでは本格的なJazzへのアプローチを試み、Big Bandを引き連れてSonar FestivalやThe Montreux Jazz Festivalに客演するなど世界中のファンを魅了した。また一方、近年発表の作品では政治的メッセージを強く発信しており、2004年 のアルバム『Plat Du Jour』 では巨大なフード・ビジネスの危険性を、2005年の『Scale』では石油産業をテーマに、国家間の利権争いを批判している。2010年の本年は、 Matthew Herbert名義で待望のフル・アルバムの発売がアナウンスされており、全ての楽器を自ら演奏するのみでなく、なんと3部からなる大作とのこともあって 世界中から期待と注目を集めている。