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The Brand New Heavies

 80年代半ば、ロンドンの郊外イーリングにてヤン・キンケイド(キーボード/ドラム)、サイモン・バーソロミュー(ギター)、アンドリュー・レヴィ(ベース)ら同じ学校に通う幼なじみらで結成。ジェームス・ブラウンに代表される“ファンク”に大いに触発され、結成当時(この頃はまだバンド名は無し)はとにかくヤンの部屋に集まっては、もっぱらジャムる毎日だったらしい。

 88年に英国クリサリス・レコード傘下レーベルのクールテンポよりシングル「ゴット・トゥ・ギヴ」(アナログ盤でリリース)でデビュー。その後、アシッド・ジャズ・レコードよりシングル「ギミ・ワン・オブ・ゾーズ/ピープル・ゲット・レディ」をリリース。90年、バンド名をタイトルに関した記念すべきデビュー・アルバム『ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ』を同レーベルからリリース、リンダ・ミュリエルをヴォーカリストに迎えたシングル「ドリーム・カム・トゥルー」がスマッシュ・ヒットを記録。

 そしてこの1stアルバムはアメリカ西海岸のインディ・レーベル、デリシャス・ヴァイナルからライセンス発売されたが、アメリカでのデビュー盤発売に際し、ヴォーカルは前述のリンダ・ミュリエルからアトランタ出身のシンガー、エンディア・ダヴェンポートに全て差し換えられた。新ヴァージョンの「ドリーム・カム・トゥルー」に加え、「ステイ・ディス・ウェイ」や新たに書き加えられた「ネヴァー・ストップ」(全米R&Bチャート3位)らが連続ヒットし米R&Bチャートで好成績を収めた。

 94年、エンディア・ダヴェンポートを再度ヴォーカリストに迎えて発売された『ブラザー・シスター』はプラチナ・アルバムとなる。同アルバムからは、シングル「ドリーム・オン・ドリーマー」「真夜中のオアシス」「バック・トゥ・ラヴ」「スペンド・サム・タイム」など連続ヒットを飛ばし、全世界でスターの仲間入りを果たすと同時に、エンディア=TBNHのヴォーカリスト的なイメージも強くなってきた。が、エンディアはソロ・キャリアを目指し脱退。

 97年発売のアルバム『シェルター』で参加したのは、サイーダ・ギャレット。今作もプラチナ・アルバムに輝いた。
 
 99年発売の『トランク・ファンク ベスト・オブ・TBNH』は数々のヒット曲を集めたベスト盤に新曲を3曲プラスした、企画盤の意味合いを持つもの。新曲でフィーチャーされたのは、アメリカのシンガー、カーリーン・アンダーソン。『トランク・ファンク~』を機に数年在籍していたロンドン・レコードを離れたTBNHが、日本においてポニーキャニオンという新パートナーを見つけ、2003年初頭に始動、サイ・スミスとジーナ・ロリングという若い才能2人を新ヴォーカリストに迎えたほか、エンディア・ダヴェンポートも参加。21世紀の新たな“TBNHサウンド”とも言えるアルバム『ウィー・ウォント・ストップ』が2003年1月に日本のみで発売となった。 そして美貌の女性ヴォーカリスト、ニコール・ルッソを迎え完成された最新作『オールアバウトザファンク』が2004年秋に発売。