自然回帰/ブラックとしての誇り/反政治的なメッセージというさまざまなトピックス(信条)を掲げるArrested Development。彼らは92年にアルバム『テネシー(遠い記憶)』でデビューを果たし、同年のグラミー賞でベスト新人賞など2部門を獲得する(そのアルバムのセールスは700万枚とも)。
中心人物であるSpeechのラップは、優しく語りかけるような口調で解放的なイメージを生む。それは、ネガティヴな状況をプラス思考に転換させるようなパワーを秘めているかのようだ。また、生楽器を中心に展開されるオーガニックサウンドは、リリックの重いテーマとは裏腹に澄みきった青空を連想させる爽快感とスピリチュラリティに溢れていた。そのトラックにおいて、サンプリングソースはソウルをメインにしているが、彼らの守備範囲はJunior Wells、Buddy Guyといったブルースにまで及び、渋めなスパイスを効かせたトラック群で他のアーティストと一味違ったプロダクションセンスを見せつけた。
Speech Official Website
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