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IN TIME

-Dry & Heavy presents-

DRYこと七尾茂大(ドラムス)、HEAVYこと秋本武士(ベース)。世界最高峰のリズム・ツインズとしてインターナショナルな活動を展開しながらも、2001年にコンビ解消。その後10年間に渡って決して交わることがなかった両者の歩みは、2010年にふたたび重なり合うことになった。まさに奇跡のリユニオンである。

 リズム・コンビとして本格的な復活を遂げたDRY&HEAVYにとっては、ひとつひとつのライヴが〈勝負〉。一回でもコケようものなら即コンビ解消、そんなムードがステージに充満しているのである。だからこそ連日連夜パーティーが行われる都内にあっても、彼らがステージに上がることはスペシャルなこと。フロアを埋めるオーディエンスたちもそのことを十分認識しているし、時にはステージとフロアから殺気立った空気が立ち上ることだってある。

 そんなDRY&HEAVYがパーティーを立ち上げるという。その名も〈DRY&HEAVY PRESENTS IN TIME〉。DRY&HEAVY主催のイヴェントは何と初めての試みだというが、その点からもここに込められた秋本と七尾の思いを感じ取ることができるだろう。SHING02、DJ HIKARUという盟友たち、秋本が「10年ぶりに衝撃を受けた」というSIMI LABなど出演者の顔ぶれは確かに豪華で個性的だが、このパーティーは単に出演者の名前で客を集めようとするものではない。このメンバーだからこそ生まれるだろう特別な空間。それはジャンルも世代も越えたものであって、首謀者の秋本は東京の夜に起爆剤(もしくは劇薬)を投下しようとしている。僕が大好きなSIMI LABの“Uncommon”には〈普通って何? 常識って何? そんなものガソリンぶっかけ火つけちまえ〉というリリックがあるが、きっと〈DRY&HEAVY PRESENTS IN TIME〉もそういうことなのだろう。CATCH A FIRE!

大石始(ライター/エディター)